問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈子どもらは青き夏野を駈けてゆく【 ① 】の育つ速さに〉 (松村由利子)
A. 積乱雲
B. とうもろこし
C. 肩甲骨
D. 風一陣
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解答 – Answer
A. 積乱雲
解説
子どもらは青き夏野を駈けてゆく積乱雲の育つ速さに
掲出歌は、松村由利子の第四歌集『耳ふたひら』の連作「自由移民」に収められた一首です。
この歌を読むと、暑く照る夏の野原を子どもたちが駈けてゆく様子が、眼前に広がっていくようです。
そして、子どもたちが思い切り駈けてゆくスピードが、夏の積乱雲の育つ速さに例えられています。
積乱雲は少し目を離していると、あっという間に大きく膨れ上がっていきますが、もくもくと大きくなっていく速度が、元気いっぱいの子どもたちの様子にマッチしています。
また「子ども」でなく「子どもら」というところも効いていて、複数の子どもがある程度の距離をもって広がっていくところも、積乱雲の拡大にとてもよく合っています。
まさに夏の短歌という感じですが、積乱雲というスケールの大きなものへ展開していくところが見どころだと感じる一首です。