短歌クイズ Q.173

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短歌クイズ
問題 – Question

〈おもむろにからだ現はれて水に浮く鯉は若葉の輝きを浴む〉という巻頭歌で始まる、佐藤佐太郎の第九歌集は何?

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解答 – Answer

 『形影』

解説

『形影』は1970年(昭和45年)に出版された、佐藤佐太郎の第九歌集です。1966年(昭和41年)から1969年(昭和44年)までの514首が収められています。

1966年歳晩に、佐藤佐太郎は鼻出血により入院します。あとがきには次のように記されています。

そのうち裁判に鼻出血があつて、それから私の生活は変つた。すべてに無理をしないやうにして休養をとり、作歌も数を節するやうになつた。私は昼食を廃し、毎日一時間ほど午睡する。睡りを待つあひだ、睡りから覚めてしばらく、床中で漢詩のたぐひを拾ひ読みするのが楽しみとなつた。

あとがき

もともと漢詩に対する造詣は深かったのですが、この入院を契機にさらに漢詩が作歌に影響を及ぼすようになったといえるでしょう。

退院後は、短い旅に出ることが多くなり、旅の場で詠まれた優れた歌が本歌集に多く収められています。ただの旅行の表面的記録ではなく、その場で見聞きし感じ取ったものの本質が詠われているところに、歌の深みを感じることができるのです。

過剰でも過少でもなく無理のない言葉運びでありながら、読み終えたときに心の奥の何かが揺さぶられる、そんな歌が多く収録されている一冊です。

『形影』から五首

冬山の青岸渡寺せいがんとじの庭にいでて風にかたむく那智の滝みゆ

夕光ゆふかげのなかにまぶしく花みちてしだれ桜はかがやきを垂る

あるときは幼き者を手にいだきなへのごとしと謂ひてかなしむ

鳥雀てうじやくのごとたあいなく秋の日のいまだ暮れざるに夕飯ゆふいひを待つ

午睡する老いしかたちを妻はいふみづから知らぬあはれの一つ

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