問題 – Question
〈から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ〉が有名な例である、物の名など五字の語句を各句の頭に一字ずつ詠み入れた和歌の技法を何という?
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〈から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ〉が有名な例である、物の名など五字の語句を各句の頭に一字ずつ詠み入れた和歌の技法を何という?
折句
折句とは、五つの文字を各句の頭に一字ずつ詠み込んだ和歌の技法です。
折句の代表例として、『伊勢物語』第九段の「東下り」に登場する、在原業平が詠んだ歌が有名です。
から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ
(意味)何度も着て馴染んだ唐衣のように、長年慣れ親しんだ妻が都にいるので、妻を残したままはるばる遠くまで来てしまった旅のわびしさよ
これは、ある人が「かきつばた」の五文字を句の上に据えて旅の心を詠めといったのに対し、在原業平が応えた歌です。
各句の頭の文字を取り出すと「か」「き」「つ」「は」「た」。つまり「かきつばた」という五文字を各句の頭に置き、旅の気持ちを詠んだ歌となっています。
折句は和歌に限らず、俳句や雑排でも流行し用いられました。