メールにて「連載原稿書き直しのお願い」が来る 胸に重く来る
千葉聡『海、悲歌、夏の雫など』
千葉聡の第五歌集『海、悲歌、夏の雫など』(2015年)に収められた一首です。
短歌総合誌などでの連載の依頼を受けている際の歌でしょう。
一旦は原稿を提出したのですが、その後「連載原稿書き直しのお願い」がメールで届いた場面です。提出した原稿がすんなり通れば問題なかったのでしょうが、書き直しを依頼されたのです。
書き直しは喜ばしいものではないでしょう。
結句の「胸に重く来る」にその心境がよく表れていると思いますが、複雑な思いが入り交じった気持ちなのではないでしょうか。
最初に提出した原稿の出来、なぜ書き直しなのかという思い、書き直さなければならないことに対する負担感、どのように書き直そうかということへの思い、連載原稿のレベルを保つ責任感など。
「来る」の繰り返しが、メールで届いた書き直しの依頼の重さを表現している一首だと思います。