麻雀の歌 #12

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麻雀の短歌

先輩の家で麻雀した朝のだるい四人はロの字にねむる
小俵鱚太『レテ/移動祝祭日』

小俵鱚太の第一歌集レテ/移動祝祭日(2024年)に収められた一首です。

昔は麻雀と聞くとどちらかというと薄暗いイメージをもっていましたが、2018年7月からはプロ麻雀リーグである「Mリーグ」が発足し、麻雀人気が一気に拡大しました。

四人麻雀の場合、四人が集まらないとできないわけですが、主体と先輩を含めて四人は、先輩の家で麻雀をすることになったのでしょう。雀荘にいけば、全自動麻雀卓もありますが、おそらく先輩の家の麻雀は全自動麻雀卓ではなく、手積みの麻雀卓だったのでしょう。

朝まで打ったということは、大体夕方か夜から開始したのだと思われます。麻雀をやったことのある人ならわかると思いますが、最初のうちは元気でも、深夜となり明け方となってくると、だんだんと眠気と疲れが出てきて、最初の元気はどこかへいってしまったかのような時間が訪れます。

牌も惰性で切っていき、とりあえず朝までやると決めたからには、体力が限界に近づきながらも、朝まで打つということはしばしばあります。

そして明け方、朝日が昇り、誰とはなしにそろそろ終わりにしようかといって、一晩続いた麻雀が終了となるのです。

そのまま各自の家に帰ってもいいのですが、この四人は先輩の家で少し寝てから帰ることにしたのでしょう。昼ぐらいまで眠ることになるのかもしれません。

「ロの字」というところがこの歌のポイントで、麻雀卓を部屋の中央に置いたまま、四人は眠りについたのです。部屋の隅に片づけて、寝るスペースを確保してもよさそうですが、そうはせず、麻雀卓を取り囲むように四人が眠ったところに、この四人の関係性のようなものが如実に表れているように感じます。

きっと何度も先輩の家で、四人は麻雀を打ったことのある仲なのでしょう。毎回お決まりのように、「ロの字」をつくって眠るのではないでしょうか。

だるくなるまで麻雀をする必要はないのかもしれませんが、一旦卓を囲むとなかなか短時間ではやめられず、ついついだるくなるまでやってしまうものだと思います。

そのだるさの果てに訪れる四人の「ロの字」の配置は、麻雀を通して一晩を一緒に過ごした連帯感のようなものが感じられ、どこか面白く、心温まる光景に思えてきて、何気ない歌ですが印象に残る一首だと感じます。

麻雀
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