問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈かんたんなてんらんかいにゆきたいな【 ① 】に触るだけのてんらんかい〉 (橋爪志保)
A. みかづき
B. みずうみ
C. みみたぶ
D. みじんこ
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解答 – Answer
B. みずうみ
解説
かんたんなてんらんかいにゆきたいなみずうみに触るだけのてんらんかい
掲出歌は、橋爪志保の第一歌集『地上絵』の連作「てんらんかい」に収められた一首です。
展覧会といえば、何か作品や資料が展示されていてそれを鑑賞するイベントを指しますが、この歌でいう「てんらんかい」は、そういったものとは少し異なるようです。
「てんらんかい」と平仮名表記されていることから、すでに「展覧会」とは別物なのですが、何が一番違うかというとものを見るのではなく、「みずうみに触る」というところですね。
しかも「触るだけ」なのです。みずうみにはどうやって触るのでしょうか。手で触るのでしょうか、それとも脳内でみずうみに触れることができる場所なのでしょうか。いろいろと想像をかきたてられます。
いくつかのみずうみが並べられているのかもしれませんし、同じ場所で次々にみずうみが交代で現れる仕掛けになっているのかもしれません。とにかく「触るだけ」なのです。「展覧会」のようにあれこれと頭を使う必要がない、「かんたんな」企画なのです。頭で考えるのではなく、触るだけで感じることができる、感じることを楽しむ、心がやすらぐ、そんな場を想像します。
ああ、こんな「てんらんかい」があれば、ぜひ行ってみたくなります。難しい言葉は使われていませんが、イメージが奥へ奥へと広がっていく、誘い込まれていく、そんな素敵な一首だと感じます。