問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】のやうにしづかにしてをればこのパーティもたちまち終はる〉 (永田和宏)
A. 傘立て
B. 夕尾根
C. 栞紐
D. ドアノブ
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解答 – Answer
A. 傘立て
解説
傘立てのやうにしづかにしてをればこのパーティもたちまち終はる
掲出歌は、永田和宏の第十二歌集『夏・二〇一〇』の連作「やどりぎ」に収められた一首です。
この歌の主体は、パーティを楽しんでいるわけではありません。
パーティが楽しいもの、盛り上がるものという捉え方自体が偏った考え方ですが、パーティが楽しい人もいればそうでない人もいますし、また楽しいときもあれば楽しくないときもあります。またパーティの種類にもよるでしょう。
「傘立て」という比喩が何とも絶妙です。傘立ては動くことはありませんが、そこに集まる傘と人とのイメージが重なる印象もありますし、傘のようにまっすぐ立っているようなイメージも浮かびますし、傘の滴が垂れる時間経過のようなものも感じますし、「傘立て」という一語からいろいろなイメージが広がっていきます。
出席しなければならないパーティなのだけれど、早く終わってほしいという気持ちがよく表れている歌だと感じます。