問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈答へられぬ学生に深く立ち入れば【 ① 】選ぶやうに助詞選びをり〉 (大口玲子)
A. 星
B. 夢
C. 色
D. 恋
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解答 – Answer
A. 星
解説
答へられぬ学生に深く立ち入れば星選ぶやうに助詞選びをり
掲出歌は、大口玲子の第一歌集『海量』の連作「悟浄」に収められた一首です。
日本語教師である著者が、学生に日本語を教えている場面でしょう。質問にうまく答えられない学生に深く立ち入ったとき、学生は星を選ぶように助詞を選んだというのです。
しかし、星を選ぶように助詞を選ぶとはいったいどういう状況でしょうか。そもそもこの「星」は夜空に輝く星を指しているのでしょうか。星を選ぶという行為自体も、あまり日常で行われにくい行為かと思います。
実際ここはうまく読み取ることができないのですが、数あるなかから選ぶ(多くの助詞のなかから選ぶ)、好きなものを選ぶ(好きな助詞を選ぶ)、よく輝いているものを選ぶ(よく使われる助詞を選ぶ)などという状況が考えられるかもしれません。
ひとついえるのは、星を選ぶことと助詞を選ぶことを直喩でつなげたところに、この歌の特長があるということです。「星」という語が入ることにより、助詞を選ぶという行為がきらきらと輝いて見えてきます。