問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】のやうなる部品があまるからコーヒーミルをふたたび分解す〉 (光森裕樹)
A. 洗濯タグ
B. 三角コーン
C. 羽子板
D. 観覧車
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解答 – Answer
D. 観覧車
解説
観覧車のやうなる部品があまるからコーヒーミルをふたたび分解す
掲出歌は、光森裕樹の第二歌集『うづまき管だより』の連作「Ferris wheels in the coffee mill」に収められた一首です。
コーヒーミルを分解し、再び組み立てたのですが、部品があまってしまいました。そのために再び分解している場面です。
あまった部品は観覧車のようなかたち。円形のギアのような部品でしょうか。
コーヒーミルに限らず、玩具でも機械でも部品から構成されているものを一旦分解して再組立しようとするとき、部品があまってしまう経験をした方は多いのではないでしょうか。
よほど簡単な構造でない限り、部品の位置を記憶しながら注意深く行わないと、どこかに漏れが発生してしまうものです。そして部品があまった場合、組み立て直しをしなければならなくなってしまいます。
この一首では、あまった部品を「観覧車」のようだと捉えたところに巧さとユーモアがあるでしょう。
そして、再度分解する画面をいうことで、これまで一旦分解し、組み立て直した時間の経過までもがわかり、ある瞬間だけでなく同時に一定時間の経過を詠んだ一首として優れています。