問題 – Question
次の歌の【 ① 】に入る言葉は何?
〈【 ① 】のように椅子から立ちあがる昔の僕のような少年〉 (萩原慎一郎)
A. 鉛筆
B. 水煙
C. 筍
D. 月光
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解答 – Answer
C. 筍
解説
筍のように椅子から立ちあがる昔の僕のような少年
掲出歌は、萩原慎一郎の第一歌集にして遺歌集『滑走路』の連作「居場所」に収められた一首です。
「筍のように椅子から立ちあがる」という比喩がよく効いていて、とても躍動感を感じます。短期間でぐんぐんまっすぐ伸びていく筍との様子が、実直な少年の姿を思わせます。
しかもその少年は「昔の僕」に似ているのです。少年を通して、過去の自分を見つめている主体がいます。主体は「昔の僕」をどのような思いで思い返しているのでしょうか。もうかつての「僕」には戻れないけれど、その「僕」を思いやる主体のまなざしにあたたかく優しい思いを感じる一首です。
歌人 萩原慎一郎 公式サイト
いかなる逆境にも立ち向かい、自らの想い、今を懸命に生きる人々の輝き、恋、小さな幸せを短歌で表現した天才歌人、萩原慎一郎の軌跡。