問題 – Question
〈死にてよき土地を想えばふかぶかと雪を積みたる貨車駅に着く〉という巻頭歌で始まる、村木道彦の第一歌集は何?
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解答 – Answer
『天唇』
解説
『天唇』は1974年(昭和49年)に出版された、村木道彦の第一歌集です。歌壇に衝撃的デビューを果たした、『ジュルナール律』掲載の連作「緋の椅子」10首も収録されています。
新鮮な口語の使い方、一字空けの多用などが注目されますが、『天唇』一冊を通して読めば、端正で奥深さのある歌も多く詠われていることがわかります。歌の幅の広さも『天唇』の魅力であり、何度も繰り返して読み返したい一冊です。
一冊の中で、歴史的仮名遣いと現代仮名遣いが混在していますが、作成年によるものでしょう。
『天唇』から五首
川沿いをひとりくるときくさはらにるいるいとある貝のうらがわ
夕、われは まどのガラスに鼻ふれておのがまなことまうかうばかり
セックスのおとずれというはつね俄か にがきかおりのチョコレート嚙み
慕情とやとおくはなれてきしわれにニスはあらたなにおいはなつも
ふかづめの手をポケットにづんといれ みづのしたたるやうなゆふぐれ
短歌クイズ Q.11
短歌雑誌「ジュルナール律」第3号に掲載され歌壇に衝撃的デビューを果たすきっかけとなった、〈水風呂にみずみちたればとっぷりとくれてうたえるただ麦畑〉で始まる村木道彦の連作十首のタイトルは何?